『007 スペクター』
原題;『Spectre』
監督;サム・メンデス
脚本;ジョン・ローガン
撮影;ホイテ・ヴァン・ホイテマ
主題歌;
サム・スミス「Writing's
On The Wall」
出演;ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、デビッド・バウティスタ、アンドリュー・スコット、
モニカ・ベルッチ、レイフ・ファインズ
久
保の眼
■24
作も作られている007シリーズは作品ごとに変わる監督と主演によって、まるで違ったタイプの作風を制作してきた。その中でも私にとっての007シリーズ
の最高傑作は23作目の『007
スカイフォール』であったので同じ監督と主演の本作への期待が膨らんだ。このコンビの特徴は今までの007と違って、ストイックだ、とゆー点。それまでの
ファットなOO7とは圧倒的に違う。それは見た目だけではなく、ルパン3世的なユーモアや行動の過剰さが売りでありトレード・マークであったのを、惜しげ
もなく真逆のストイックでクールな物語にしている。簡単に言えば、このコンビが007シリーズを
マンガからアートにした。そもそもサム・メンデ
ス監督は、ファットな恋愛映画『タイタニック』の恋人2人をそのまま使いながらも、
『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』とゆー甘さのかけらもない筋
肉質の映画を作っちゃった男である。
■その幸福な最高傑作が、前作の『007
スカイフォール』であった。だから本作は007の24作目、とゆーよりは、『スカイフォール2』だ。それは前作の主題歌をアデルに歌わせれば、今回はサ
ム・スミスしかないだろーとゆーテイストの近似性で明らかだ。